解体工事(アスベスト関連)

「解体工事(アスベスト関連)」とは?│専門用語を簡単に解説!~アスベスト分析用語集~

こんにちは。HAKUTOアスベスト分析センターにて主任分析員を務めております、たっくんです。
建物の老朽化などに伴い、避けては通れないのが「解体工事」であります。しかし、その建物にアスベストが使用されていた場合、通常の解体工事と同じように進めることは、断じて許されません。

アスベストが使用された建物の解体は、石綿障害予防規則(石綿則)大気汚染防止法といった厳しい法律のもと、作業員と周辺住民の安全を最優先に進める必要がある、極めて専門性の高い工事なのであります。

本日は、アスベスト関連の解体工事が、どのような流れで、どのような点に注意して行われるのか、その全体像を分かりやすく解説してまいりましょう。

主任分析員のたっくん

アスベスト関連の解体工事」とは

アスベスト関連の解体工事とは、解体対象の建築物にアスベスト含有建材が使用されている場合に、法律で定められた手順に従って実施される専門的な工事のことを指します。

その最大の目的は、解体作業中にアスベスト繊維を飛散(ひさん)させない(ばく露しない)ことで、作業員の皆様と近隣にお住まいの方々の健康を守ることにあります。

このため、工事の前には必ずアスベスト事前調査が義務付けられており、その調査結果に基づいて、建材の危険性(レベル)に応じた適切な工法が選択されます。

解体工事の主な流れ

アスベストを含む建物の解体工事は、大きく分けて以下のステップで進行いたします。

  • アスベスト事前調査の実施
    工事の最初のステップであります。設計図書等で建材を確認する図面調査と、現地で直接建材を確認する目視調査を行います。ここでアスベスト含有の有無が不明な場合は、検体を採取し、専門の分析機関によるアスベスト分析を行います。
  • 工事計画の策定と届出
    事前調査の結果に基づき、アスベストの除去方法、作業員の安全対策、飛散防止策などを盛り込んだ詳細な作業計画を策定します。レベル1、レベル2に該当する建材を除去する場合は、この計画を労働基準監督署や自治体に届け出る必要があります。
  • 近隣への説明と作業前の準備
    工事内容や安全対策について、近隣の住民や事業者へ丁寧に説明を行います。同時に、工事現場にはアスベスト作業中であることを示す掲示を行い、必要な保護具や機材を準備いたします。
  • アスベスト除去作業
    計画に基づき、アスベスト含有建材の除去作業を先行して行います。飛散性が高いレベル1、レベル2の建材を除去する際は、作業場所をビニールシートで完全に隔離(隔離養生)し、内部を負圧に保つ「負圧除じん装置」を使用するなど、厳重な措置が取られます。
  • 建物本体の解体
    アスベスト含有建材がすべて適切に除去されたことを確認した後、ようやく建物本体の解体工事に着手できます。
  • 廃棄物の適正処理
    除去したアスベスト含有建材は、「特別管理産業廃棄物」として、他の建設廃棄物とは厳密に分別し、法律で定められた基準を満たす最終処分場へ運搬・処分されます。

たっくんの
ワンポイントアドバイス!

本日は「アスベスト関連の解体工事」について解説いたしましたが、ご理解いただけましたでしょうか。最後に、重要な点をまとめておきましょう。

  • ポイント1
    アスベストを含む建物の解体は、必ず「アスベスト事前調査」から始まります。この調査なくして、工事に着手することはできません。
  • ポイント2
    解体工事は、アスベストの「除去が先、解体が後」という順番が鉄則であります。アスベストの危険度(レベル)に応じて、厳重な飛散防止対策が求められます。
  • ポイント3
    除去したアスベストは、特別管理産業廃棄物として適正に処理する必要があります。不法投棄は極めて重い罰則の対象となりますぞ。

さらに詳しく知りたい方へ

アスベストの危険性(レベル)によって、除去工事の方法や費用は大きく異なります。費用について詳しく知りたい方は、こちらのコラムも併せてご覧ください。

アスベスト除去・解体工事の費用相場|レベル別の単価と総額を解説

アスベストの解体工事は、専門的な知識と技術、そして何よりも安全への高い意識が求められる工事であります。私たちHAKUTOアスベスト分析センターは、その第一歩である「事前調査」の中核をなす「分析」で、皆様の安全な工事計画を支えておりますぞ。

アスベストの定性分析が必要な時は、当社にご相談ください。
お客様の状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。

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