「アスベスト調査費用」とは?│専門用語を簡単に解説!~アスベスト分析用語集~
こんにちは。HAKUTOアスベスト分析センターにて主任分析員を務めております、たっくんです。
2022年から法律で義務化されたアスベスト事前調査ですが、解体やリフォームを計画されている皆様にとって、その「費用」は大きな関心事でありますな。
「一体いくらかかるのだろう?」「見積もりが出てきたけれど、この金額は適正なのか?」「そもそも、この費用は誰が払うべきものなのか?」といったご質問が、私の元にも数多く寄せられます。
本日は、皆様のこうした疑問を解消すべく、「アスベスト調査費用」の内訳や料金相場、そして法律で定められた費用負担の考え方について、分かりやすく解説してまいりましょう。

「アスベスト調査費用」とは

アスベスト調査費用とは、法律で定められたアスベスト事前調査を実施し、その結果を報告書にまとめるまでにかかる一連の費用の総称であります。
この費用は、調査の段階に応じて、主に以下の項目で構成されております。
- 図面調査費用
設計図書などの資料を確認し、アスベストが使用されている可能性のある建材を洗い出す作業にかかる費用であります。 - 現地調査(目視調査)費用
有資格者が実際に現地へ赴き、図面と現場を照合しながら建材を目で見て確認する作業にかかる費用です。調査員の交通費や人件費(専門家としての技術料)が含まれます。 - 検体採取・分析費用
目視調査でアスベストの有無が判断できない場合に、建材の一部を試料(検体)として採取し、分析機関で分析を行うための費用です。検体の数に応じて費用は変動いたします。 - 報告書作成費用
調査したすべての内容と分析結果をまとめ、法律で定められた様式に従って報告書を作成するための費用であります。
これらの費用を合算したものが、皆様がお見積もりで目にすることになる「アスベスト調査費用」の全体像なのであります。
アスベスト調査費用の料金相場
アスベスト調査費用は、建物の規模や構造、調査内容によって大きく変動いたします。ここでは、一般的な目安となる料金相場をケース別にご紹介いたしましょう。
図面・目視調査のみで完了する場合
設計図書からアスベスト含有の可能性が低いと判断でき、現地調査でも分析の必要がないと判断された場合の費用です。
- 一般的な戸建て住宅: 3万円~8万円程度
- 小規模なマンション・ビル: 5万円~15万円程度
分析調査が必要になる場合
図面・目視調査の結果、アスベスト含有の疑いがある建材が見つかり、分析が必要になった場合の費用です。上記の調査費用に、以下の分析関連費用が加算されます。
- 検体採取費用: 1検体あたり1万円~3万円程度
- アスベスト分析費用: 1検体あたり3万円~10万円程度(定性分析か定量分析か、分析方法によって異なります)
例えば、戸建て住宅の調査で3箇所の分析が必要になった場合、「目視調査費用(5万円)+(検体採取・分析費用6万円×3箇所)=約23万円」といった計算になります。
アスベスト調査費用は誰が負担するのか?
法律上、アスベスト調査の実施義務は、工事の元請業者または自主施工者(自分で工事を行う人)に課せられています。
しかし、その調査にかかる費用の負担については、原則として工事の発注者(建物の所有者)と定められております。
なぜなら、アスベスト調査は、その建物の資産価値を維持し、安全性を確保するために不可欠な工程だからであります。工事の見積書に「アスベスト調査費用」として計上されているのは、このためなのでありますな。発注者と受注者(元請業者)の間で、費用負担について事前にしっかりと確認しておくことが重要であります。
アスベスト調査費用を賢く抑えるポイント
調査費用は安全のために必要な経費ですが、できる限り適正な価格に抑えたいもの。そのためのポイントを2つご紹介いたします。
複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)
最も重要なポイントであります。1社だけの見積もりでは、その金額が適正かどうか判断できません。複数の調査会社から見積もりを取り、内訳や金額を比較検討することで、ご自身のケースにおける適正な費用相場を把握することができます。
補助金・助成金制度を活用する
お住まいの地方自治体によっては、アスベスト調査費用の一部を補助・助成する制度を設けている場合があります。解体やリフォームを計画する際には、まずはお住まいの市区町村の役場(環境課など)に問い合わせてみることをお勧めいたします。
たっくんの
ワンポイントアドバイス!
本日は「アスベスト調査費用」について解説いたしましたが、ご理解いただけましたでしょうか。最後に、重要な点をまとめておきましょう。
- ポイント1
調査費用は「図面調査・現地調査・分析・報告書作成」など複数の項目で構成されます。見積もりを受け取った際は、その内訳をしっかり確認することが肝要であります。 - ポイント2
費用の負担者は、法律の原則上、工事の発注者(建物の所有者様)であります。これは建物の安全を確保するための責務と心得ましょう。 - ポイント3
適正価格で調査を依頼するためには、複数の業者から見積もりを取ることが不可欠です。自治体の補助金制度も忘れずにチェックいたしましょう。
さらに詳しく知りたい方へ
アスベスト調査費用のより具体的な内訳や、建物の種類ごとの詳細な料金事例については、こちらのコラム記事でさらに詳しく解説しております。併せてお読みいただくことで、理解がより一層深まりますぞ。
アスベスト調査・事前調査の費用相場 | 戸建て・マンション別の料金と内訳
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