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2025.07.28

アスベスト調査・事前調査の費用相場|戸建て・マンション別の料金と内訳

「アスベスト調査って、いったいいくらかかるんだろう?」
「見積もりを取ったけど、この金額が妥当なのか分からない…」

建物の解体やリフォームを計画する際、義務化されたアスベスト事前調査の「費用」は、多くの方が最初に直面する大きな関心事です。しかし、料金体系が分かりにくく、不安を感じている方も少なくないのではないでしょうか。

アスベスト調査の費用は、建物の規模や構造、調査内容によって大きく変動します。安さだけで業者を選ぶと、必要な調査が漏れていて後から追加費用が発生したり、法的な要件を満たせないといったトラブルにもなりかねません。

そこで本記事では、アスベスト調査費用の「ブラックボックス」を解消すべく、専門家の視点から以下の点を詳しく解説します。

  • 調査全体の費用相場
  • 料金の詳しい内訳
  • 戸建て・マンションなど建物別の相場
  • 費用を左右する要因と、安く抑えるコツ

この記事を読めば、アスベスト調査費用の全体像が掴め、安心して計画の第一歩を踏み出せるようになります。

アスベスト調査・事前調査の費用相場【全体感】

まず、アスベスト事前調査にかかる費用全体の目安を把握しましょう。調査は大きく「図面・目視調査」と、必要に応じて行われる「分析調査」に分かれます。

・図面調査+目視調査の費用相場: 3万円 〜 10万円
・分析調査の費用相場(1検体あたり): 2万円 〜 5万円

例えば、一般的な戸建て住宅で、図面・目視調査の結果、疑わしい建材が3箇所あり、それぞれを分析調査に出した場合、「5万円(図面・目視)+ 3万円×3検体 = 14万円」といった形になります。もちろんこれは一例であり、建物の規模や状況によって費用は大きく変動します。

費用の内訳はどうなってる?調査項目別の料金詳細

次に、費用の内訳を項目別に見ていきましょう。見積書に書かれている項目が何に対応するのかを理解する上で重要です。

項目1図面調査(文献調査)費用

設計図書や仕様書、過去の修繕履歴などを確認し、アスベスト含有建材の使用状況を机上で確認する作業です。比較的安価で、1万円~2万円程度が目安ですが、目視調査とセットになっていることがほとんどです。

項目2目視調査(現地調査)費用

「建築物石綿含有建材調査者」の有資格者が現地に赴き、建物の隅々まで目で見て確認する、調査のメインとなる部分です。建物の規模や構造の複雑さによって、作業時間や人員が変動するため、費用も変わります。2万円~8万円程度が目安です。

項目3分析調査費用

目視調査で含有が不明だった建材を採取し、専門機関で分析する費用です。これは「追加オプション」であり、検体数に応じて費用が加算されます。どのような分析調査を行うかによっても価格は変動します。

  • 定性分析(有無を調べる): 1検体あたり2万円~4万円程度
  • 定量分析(含有率を調べる): 1検体あたり3万円~5万円程度

項目4報告書作成費用

行政への報告にも使用できる、法的な要件を満たした報告書を作成する費用です。多くは目視調査費用に含まれていますが、別途1万円~3万円程度かかる場合もあります。

項目5その他(諸経費)

調査者の出張費(交通費・宿泊費など)や、報告書を急ぎで作成する場合の特急料金などが、状況に応じて加算されることがあります。

【建物別】戸建て・マンションの費用相場

建物の種類によっても、費用の目安は変わってきます。

ケース1戸建て住宅の場合

一般的な木造2階建て住宅の場合、構造が比較的シンプルで調査範囲も限定されるため、費用は抑えやすい傾向にあります。

・図面・目視調査+報告書作成: 5万円 ~ 8万円
・分析調査(2~3検体): +6万円 ~ 9万円
・合計目安: 5万円 ~ 17万円程度

ケース2マンション・アパートの場合

マンションやアパートの場合、「専有部(個別の部屋)」と「共用部(廊下や集会室など)」で調査が分かれます。建物一棟を丸ごと調査する場合は、調査範囲が広く、部屋数も多いため費用は高額になります。

・1部屋(専有部)のみの調査: 5万円 ~ 15万円程度
・建物全体(共用部含む)の調査: 15万円 ~ 数十万円以上

マンション全体の調査は、管理組合が主体となって進めるのが一般的です。

調査費用を左右する5つの要因

見積金額が変動する主な要因は以下の5つです。

  1. 建物の規模と延床面積: 建物が大きく、広くなるほど、調査に時間がかかり費用は上がります。
  2. 建物の構造と複雑さ: 部屋数が多い、構造が複雑、天井裏が入り組んでいるなど、調査が困難なほど高くなります。
  3. 図面の有無: 正確な図面がない場合、全ての箇所を現地で確認する必要があるため、手間と時間が増え、費用が上がる傾向にあります。
  4. 分析調査の検体数: 疑わしい建材の種類や数が多いほど、分析費用が加算され、総額は高くなります。
  5. 調査会社の所在地: 現場から遠い調査会社に依頼すると、出張費が高額になる可能性があります。

アスベスト調査費用は誰が負担する?

法律上、事前調査の実施義務は「工事の発注者」または「自主施工者」にあります。したがって、調査にかかる費用は、原則として工事を依頼する「発注者(建物の所有者など)」が負担することになります。解体業者やリフォーム会社の見積もりに「アスベスト調査費用」として含まれているのはこのためです。

調査費用を安く抑える3つのコツ

  • 相見積もりを取る
    複数の調査会社から見積もりを取り、料金とサービス内容を比較検討しましょう。ただし、極端に安い業者は必要な調査項目が抜けている可能性もあるため、安さだけで判断せず、調査内容をしっかり確認することが重要です。
  • 既存の図面をすべて用意する
    新築時の設計図書や、過去のリフォーム履歴が分かる資料があれば、図面調査がスムーズに進み、現地調査の手間が省けることで費用を抑えられる可能性があります。
  • 補助金・助成金制度を活用する
    自治体によっては、アスベスト調査や除去工事に対する補助金制度を設けている場合があります。お住まいの自治体のホームページなどで確認してみましょう。

アスベスト調査費用は安全と信頼への投資です

アスベスト調査の費用は、安全とコンプライアンスを確保するための重要な「投資」です。費用相場は、図面・目視調査で3万~10万円、分析調査が1検体あたり2万~5万円が目安となりますが、建物の状況によって大きく変動します。

費用を比較検討することは大切ですが、それ以上に重要なのは「法的な要件を満たした、信頼できる調査」をしてもらうことです。不正確な調査は、後からより大きなコストとリスクを生む原因になりかねません。

HAKUTOアスベスト分析センターでは、お客様の状況に合わせた最適な調査プランと、透明性の高いお見積もりをご提供します。費用に関するご不安やご不明点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

アスベストの定性分析が必要な時は、当社にご相談ください。
お客様の状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。

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